AREAWARE

アーバン・アウトフィッタ―ズの友人たちが、夏の終わりに新オフィスを見るためブルックリンにあるエリアウェアのオフィスを訪れ、2017年秋の新作を内覧しました。以下、インタビューでその様子を覗いてみましょう。(ちなみにアーバン・アウトフィッターズのBlogでもっと写真をご覧いただけます)

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: エリアウェアブランドの新しい読者のために、会社の背景やどんな経緯でブランドを始めたかなど聞かせていただけますか?

エリアウェア: エリアウェアは誕生して約13年のブランドです。リサ・ヤションとノエル・ウィギンズによって2004年にスタートしました。世の中にまだ作品を出していないユニークなアイデアを持つニューヨークとその近郊のデザイナーたちに二人は会い、動物のクッションや豚の形の貯金箱などをラインとしたブランドをスタートさせたのです。

 それ以来 私たちは何百もの製品を製造するために、多くのフリーデザイナーたちと仕事をしてきました。レコードレーベルや出版社のように、デザイナーとはロイヤリティーベースで仕事をしています。彼らはデザインに対する知的財産権をすべて保持し、私たちは彼らのパートナーシップと引き換えにロイヤルティを支払います。みな非常にプロフェッショナルなデザイナーであり、私たちが作るすべての製品には、各アイデアの本来の意図がそのまま残されています。私は2014年にクリエイティブディレクターとして入社し、現在は製造・マーケティング・セールスを監督するチーフデザイン職を務めています。

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: これまでエリアウェアで仕事をしてきて、オフィスで扱う、あるいは日常的に手にするモノへの見方に変化はありましたか?

エリアウェア: エリアウェアで働くことで、私はメーカーの役割というものをこれまで以上に評価するようになりました。あらゆる優れたモノの背後には、良質な製造業者、あるいはブランドがあるのです。デザイン自体はもっぱらデザイナー個人の頭脳から生み出されるとも言えますが、材料を調達し、製造し、市場に出し、販売し、そしてそのモノを流通させてゆくパートナーがいなければ、私たちが日常的に手にしているほとんどのモノは、決して世の中に生まれ出ることはなく、ましてや私たちの文化に広まってゆくこともなかったはずです。こうして、私はプロダクトデザインと製造における人間の冒険に敬意を払うようになったのです——とはいえ、すべてのサプライチェーンとロジスティックスに対しそう考えているわけではありませんが。

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: 見た目の美しさ、あるいは機能的観点から、グレードアップをはかる(または再デザインしたい)価値があると思うモノはありますか?

エリアウェア: どれもすべてです! ノーマン・ポッターの著書「What is a designer」の中でも、私たちが見たり使ったりするすべての用具は、どれも現代的(コンテンポラリー)と見なすべきだと言っています。日常用品についても同じと私は考えます。旧式のモノからハイテク製品まで、私たちが使用し やりとりするものは、再デザインするためのゲームの道具のようなものです。私にとってデザインとは、機能はもちろんですが"人"です。生産に携わる者は、自分の感性や想いをそのプロジェクトに込めます。それらが結合し、物を通して豊かな文化を作り上げるのです。私は役に立たない製品を闇雲に世界に氾濫させることは支持しませんが、日々の状況が絶え間なく進化するの中で 私たちが出会うモノすべてに より多くの思考や配慮を加えることができると思っています。私たちが製造するのかどうかは、別の話ですけどね(笑)。

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: 最も初期のエリアウェアのコラボレーションや製品はどんなものですか? ブランドは初期の頃からどのように進化しましたか?

エリアウェア: ブタの形の貯金箱やファウナシリーズに加えて、初期の頃から自在に形を変える小さな木製の玩具「キューボット」で私たちは知られています。エリアウェアは常に幅広い商品群を用意しており、玩具・ホームデコレーション・テキスタイルから自転車まで作りました!引き続き幅広いアイデアに関心を持っていますが、すでにあるカテゴリーをさらに深掘りするためにも時間をかけています。私たちは一つ一つ独立したアイコンたちでスタートしましたが、現在は多くのデザイナーとワイドに作業をしています。例えばキャンドルコレクションを来年にかけて拡大することになったので、皆さまがより多くのチョイスが出来るようになります。前にもお話ししたように、私はデザインは作者にあると信じています。エリアウェアでは、同じファンクションの中でも多くの作家に出番があります。キャンドルプロジェクトには10人のデザイナーの作品を提供したいと思います。各デザインスタジオがこのチャレンジに対し全く違った仕事をするからです。

 

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: コラボレートしているアーティストやデザイナーたちをどのように探し出し、仕事を共にしていくのか、もう少し教えていただけますか? 1つの作品でコラボレートするプロセスはどんな風ですか?

エリアウェア: パートナーシップはほとんどの場合、人の紹介や公の場への設置、展示会での作品との偶然の出会いを通して自然に発展していきます。電子メールでのやりとりだけでは、ほとんど発展しません。私たちのコラボレーションのプロセスは、各デザイナーのやり方により異なります。自分たちで試作模型を作ることが大好きなデザイナーもいれば、私たちの援助を必要とするデザイナーもいます。通常は最初の設計が終わった後に作業を開始します。まず、デザインが製造可能かどうかを決定するための研究・調査をします。可能となれば費用を出します。そして製品開発の制約と彼らの意図との調整を図りながら、デザイナーとやりとりを繰り返し両者が同意できる案を作り上げます。その後、当社は製品を発注し写真撮影・ビデオ・展示・見本市などを通じて市場に売り出します。

 

 

アーバン・アウトフィッターズ: これまでで気に入ったエリアウェアの製品をいくつか挙げていただけますか? 次のプロジェクトについても教えてください。

エリアウェア: 気に入った製品の特定は難しいですが、最新コレクションは最高の1つだと思います。デザイン市場での大変な努力と経験の結晶だからです。スーザン・ケア(初のマッキントッシュコンピュータ―のインターフェースの多くをデザインした)による手の形をした木彫りのクリップ、ガラス製品など、本当に面白く用途の広い机回りのアイテムが含まれています。私たちは各製品と背後のストーリーをまとめ、定期的に配信していきます。

 

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沢山の人の想いが詰まったアイテムたち。

お手元のアイテムにも皆さんの想いがプラスされて磨きがかかっているのですね。

AREAWAREで暮らしにアクセントを―